運命のように君を愛してる~先生との赤い糸~
【瑠佳】
あれから、身体のほうは何事にもなく仕事をした。
私と陸の関係を一ノ瀬さんに話そうとしたけど、結局昼休みが終わってしまい自分からは話せなかった。
…陸、ちゃんと話せたかな?
と、思いながらウチの玄関のドアを開けた。
そこには、陸の靴の他にも2足の靴が並んでいた。
「陸~、遅くなってごめんね」
「おう、お帰り。瑠佳~俺、殺されるかも!」
「…『殺される』!?」
リビングに入るなり、陸がそんな事を言ってきて目線を向けると優姫ちゃんと一ノ瀬さんがいた。
「お邪魔してます。幸野先生」
「私は陸のフォローに来ました…」
「だって、優姫がいないと樹里のヤツ殺気が凄いんだ」
「そう、一ノ瀬…樹里ちゃんは私に良い印象持ってないもんね…」
そう言いながら、床に鞄を置いて陸の隣に座る。
「そりゃあ、親友がつい最近まで『男遊び』してた女と私が知らない間にデキてったら怒るでしょ!?」
「…気持ちはわかるわ。でも、信じて。…セフレの連絡先は消去したし、ちゃんと心から始まった『恋』だから…」
「瑠佳…」
私と陸はお互いに見つめ合う。
「あ~~!もう~~!陸のくせに私よりも先に『大人』になっちゃて!!」
…えっ、怒ってた理由…『そこ』なの!?
「樹里、落ち着いて!」
「お前は”彼氏”がいなんだから、しょうがねぇだろ!?」
「陸も余計な事を言わないで!」
優姫ちゃんが必死に2人を止める中、エントランスからの呼び出しが鳴った。
「はい」
「瑠佳、俺だ」
「瑠佳姉、入れて」
モニターに映るのは枢と悠だった。
「あっ、すぐ開ける!」
それから、間もなくして2人はウチにやって来た。
「―――いらっしゃい。枢、悠」
「悪りぃな、瑠佳。悠、さっさとお前の”姫”を止めろ」
「予想通りだったか…」
「どういうこと?」
今の枢と悠のやり取りの意味がよくわからない。
「…樹里」
悠が樹里ちゃんの名前を呼ぶ。
「悠!どうして、ここに…!?」
「兄貴から『樹里が殺気を全開にして、瑠佳家(ち)に行った』って聞いてね」
「ちょっと、枢兄(かなめにい)。わざわざ悠に言ったの!?」
「学校で樹里の殺気オーラが凄かったし、陸と瑠佳の話をしたついでにな」
「助かった…」
と、優姫ちゃんが肩の力を抜いた。
…それにしても、いつの間にあなたたちは”名前”で呼び合うようになったのかしら?
少し落ち着いた所で、隣同士に座る悠と樹里ちゃんに問いかけた。
「…もしかして、2人は付き合ってるの!?」
「…っ」
「バレたか…」
「ええっ~~」
陸は驚きの声を上げた。
「私たちは、メールや何度か逢ってるうちに自然とね」
「…とか言ってるけど、お互いに一目惚れだったんだよね♪」
「もう~、優姫。それは言わないでってば!」
「優姫の親友に自分の弟が惚れるなんてな」
「何度も言わなくても、もうわかってるから言わないでくれ。兄貴」
枢と優姫ちゃんの言葉に、2人は顔を真っ赤にした。
「…全然、気づかなかった」
「それは…あんたが鈍いからでしょ?」
「そうね、陸は最初なんで私にキスしたか…自分でもわかってなかったしね♪」
「瑠佳!」
「俺もその話、聞きたい!」
「悠さんまで…」
「まぁ、そう言うな。”弟”よ」
「ここまで来たら諦めろ。陸」
「…わかったよ。枢兄、悠兄(はるかにい)」
こうして、私たちはまた以前よりも親しくなっていった。