いちごみるくと恋わずらい
今日は日差しが心地良くすっきりと晴れていたけれど、時折吹く強い風がレジャーシートと草むらの間に吹きこんできて、なかなか上手く敷けずに手間取ってしまった。
「ふう!」
5人で座るには大きすぎるレジャーシート。
なんとか角に皆の荷物や近くに転がっていた石を置いて固定できた。
広すぎて、どこに座るべきか少し悩む。
「あいつら遅いな。どこまで行ってんだか」
腰をおろしながら人が溢れる出店が並ぶ方に視線を向けた卯月くんに、私は「そうだね」と頷きながら、躊躇いの末、隅っこに座ってみた。
すると、そんな私を見た卯月くんが一瞬驚いたようにぱちくりとまばたきをして、しかしすぐに可笑しそうに笑いだした。
「ちょ、あんたどんだけ端に座ってんの?こんなに広いのに、わざわざそんなとこ」
「え」
「こっち来いって。会話するのに離れすぎだろ、これ」