天才極甘党系男子
「今更なはなししてもいい?」
「ん」
「なんて呼んだらいいの?」
「下の名前」
「し…たの名前……」
「もしかして知らないとかいうなよ」
知らない。
でも知らないって言ったら締められそうな勢い。
「う、うーん」
「颯佑(そうすけ)だよ」
そう言ってあたしの頭を軽く拳で小突く。
わたしは、ちらっと隣の人を見て頷いた。
「颯佑、ね」
「うん」
「嫌がらせで病院ではそうちゃんって呼ぶね」
「あんたって本当に性格悪いな」
睨むとおもしろそうにくくっと笑った。