天才極甘党系男子
「失礼します」
聞いたことのない声。
わたしはゆっくりと布団から顔を出した。
「大丈夫ですか?少し、お話があります」
「あ、はい」
「脳外科医の日野です」
「こんにちは」
しっかりと顔を出して日野先生を見た。
優しそうな男の先生。
「こんにちは。話に入るんですけど」
そこで聞かされた話。
そこまで深い話ではなかった。
後遺症は起こらないだろうということ。
ただ、
「今まで通りに走ったりすることは難しくなるかもしれません」
「えっ」
「粉砕骨折の上、ボルト状態です。
今後のリハビリにもよりますがどうなるかは何も言えません」
わたし次第ってことだよね。
「頑張れば治りますか?」
「少しは良くなるかもしれませんね」