天才極甘党系男子



「なにがいい?」


旅館のようなところに来てメニューを広げる。


「颯佑に任せるよ」


こういうのわからない。


「ん」


適当に頼んでメニューを閉じるとわたしを見る。


「今日からよろしく」


「うん、よろしく」


「…疲れたな。こんなに動くともうきつい」


「三十路だもんね」


「ガキに言われたくないな」


「うっわ」


見た目はわたしとそんなに変わらないのに。


若い頃はもっともっとかっこよかったに違いない。


「見えないね、30に」


「…それ喜んでいいの?」


「当たり前だよ!」


「あんたは若すぎ」



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