土曜の昼下がりに、あなたと

まずは手はじめに、自分の部屋の掃除から……。

彼が最後にこの部屋に来たのっていつだっけ?

彼のうちが職場から近いのをいいことに、いつも高哉のとこに入り浸りだったから。

彼の部屋はいつだって清潔で居心地がいいのに、私の部屋は……。

めったに彼が来ないからって掃除もさぼりがち。

高哉って偉いなぁ……あらためて、そう思う。

あんなに忙しいのにいつもきちんとしていて。

なんとなくそれが当たり前みたいになってたけど、ちっとも簡単なことじゃない。

ひょっとして、私がいつ来ても寛げるように……???

彼の細やかな気遣いにぜんぜん気づきもしないで、私……。

次の週末は絶対に私の部屋に来てもらおう。

部屋もきれいにして、お洒落もして、お料理だって頑張るから。

だから、この部屋でうんと寛いでもらいたい。

好きって気持ち、ありがとうって気持ち、これからもずっとずっと一緒にいたいって思いを伝えたい。

そして、願いが叶うなら――。

心から私のすべてを求めて欲しい。

***
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