土曜の昼下がりに、あなたと
見下ろすのでなく、覆いかぶさるように重なる彼。
首筋に感じる熱い吐息に、体が切なく震えてしまう。
「なんか……今日の冴衣、いつもと違う」
そんなの当たり前だよ。
だって……わざとだもん。
それより、高哉だって……。
そっちこそ、いつもとぜんぜん違うじゃない。
いきなり、こんなこと……。
「すごい可愛いし、それに――いい匂いがする」
囁く彼の鼻先が私の耳にそっと触れる。
冷静で慎重な彼らしからぬ行動と言動。
戸惑いと期待がまじりあって、胸がきゅんと高鳴った。
だって、高哉が私のこと"可愛い"って……。
そういう台詞をほいほい言えるタイプじゃないって知ってるから、すっごく嬉しい。
「ひょっとして、俺のため?」
「えっ」
そんな臆面もなく……私のほうが照れちゃうじゃない。
もちろん気づいて欲しかった、だから嬉しいはずなのに。
いざ気づかれると……恥ずかしい。
「冴衣?違うの?」
「それは……」
高哉って、こんなに意地悪だったっけ?
照れ隠しに言葉を濁す私を彼は決して許さなかった。
「ちゃんと言ってくれなきゃわからないだろ?」
指を絡めて重なる手と手。
両手をつながれ組み敷かれ、身動きできない。
心も体もまるごとすべて彼にとらわれたみたい。
「冴衣、答えて」
「だから……」
「だから?」
「…………うん」
「冴衣?」
「全部…………高哉のため」
ようやく言えた……。
まるで不貞腐れたように思い切り顔をそむけたままだったけど、やっと。