恋の授業。
あれ以来、話すことができなかった森川君。
それでもずっと…割り切ることができなかった。
自分の気持ちに気付きそうになったときも向き合わずにいたけど、今日、やっと森川君を好きになりかけていると自覚した。
そんな自分を受け入れたばかりなのに…
ずっと話せなかった森川君が、今、こうして目の前にいる…
「川原さん?行こうか」
森川君がワタシに向かって話す言葉が
身体に染み込んでくる。
でも、ワタシはすぐに気付いた。
森川君は、もう、『くーちゃん』とは呼んでくれないんだ…
森川君と過ごした時間も交わした言葉も、本当に僅かだったけど、それでも『くーちゃん』と呼んでくれてたあの時間が、森川君の中では無かったことになってるんだと思い知らされた…
崖から突き落とされたような気分だ…。
それでも、それを森川君に悟られては困るし、落ち込んで気を使わせてしまってもいけないと思い直して、しっかりと、冷静なワタシに戻ろうとした。
「ご、ごめんね?あの、大丈夫だからさ、1人で帰れるから!」
こんなとき楽しくおしゃべりをしながら送ってもらえるような女の子だったらなと、強がってしまう自分を恨めしく思う。