恋の授業。



ゆっくりと見上げた森川君の顔は、いつか見たような、しょんぼりとした犬のようだった…。


ワタシの心臓は、過去最速にリズムを刻んで、まるで短距離でもしたかのように疲れを感じる。


お互いの気持ちを探るように見つめ合った時間はとてつもなく長く感じて、いっそ反らしてしまいたいと思っても、やっぱり反らせなかった。



「それ…って、俺…ばか。」



森川君は大きな溜め息と同時に、両手で顔を覆い一気にしゃがみこんでしまった。



「違うの違うの!ワタシがいけないの!
すぐに、言えればよかったんだけど…。
なんか…、考え込んじゃって。ほんと、バカ…」



やっぱり、あの時ワタシが気の利いた言い方で本心を伝える事ができてたら…

そう思ったけど、ふと、気が付いた。

もしもあの時、ワタシが本心を言える人間だったとして、気の利いた言葉で誤解を解きつつ告白を断ってたら、ワタシが森川君の事を想う日は来なかったはずだ。

この遠回りを、無駄にしたくない。




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