恋の授業。



「久しぶりですね、お元気そうでなによりです。」



相変わらずな物言いに、内心おぉ!と感心しながらつい笑ってしまう。



「相変わらず執事みたいだね。」



久しぶりに会ったホクロメガネとただ座って笑うことが、なんだかとても楽しく感じられたし、気持ちもどんどん落ち着いていくのがわかる。
お互いのことはほとんど知らないのに何故だろうと思う。



「何かあったんですか?」



もともと話がしたくてここに来たけど、それを見透かされているような空気に素直になれないワタシに、僕との約束忘れたんですか?と、またあの意地悪な笑顔で顔をのぞき込んでくる。

約1ヶ月会わない間に、ホクロメガネの意地悪を忘れてしまっていたのか、確かこんなんだったよなーと懐かしくなった。



…。
そう、今日は森川君の話を聞いてもらおう。



「森川君のこと、覚えてる…?」



もちろん、と言ってくれたホクロメガネに安心したワタシは、ここ1ヶ月間の出来事を細かく話した。

相当長かったはずの話なのに、嫌がる顔は全く見せずに聞いてくれた。


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