恋の授業。
「それでね、わかったんだけど…」
ワタシがまだハッキリとは口にしていないその言葉を言ってしまったら、もう後戻りできない気がして、やっぱり躊躇ってしまう。
「………」
「ワタシさ、好きになりかけてたんじゃなくて…、」
「もう森川君のこと…好きだったみたい」
言っちゃった……
ついに、ワタシは自分で自分の気持ちを認めたんだ……
こんなに恥ずかしいことをハッキリと言ったっていうのに、だまったままのホクロメガネのせいで恥ずかしさはどんどん倍増して憤死しそうになったとき、頭をフワッと大きなモノが包み込んだ。
…ぅえ?!
な、なに??
高鳴る心臓をよそに、その手がワタシを誉めてくれていることが伝わってくるような感覚に、恥ずかしさよりも心地よさが上回っていた。