恋の授業。
「いつも表情を使い分けている君の本心を引っ張り出して、素直な君を見てみたくなったから…ではダメですか?」
「へっ?」
ドキッとして、変な声が出てしまった。
なんだか、心臓が痛い。
「いや、ダメですか?って…普通に、迷惑です。」
ワタシの本心?
そんな事、誰かに気にされたことない。
また、ドキッとした…
心臓が、痛い。
なんだこれ。
「そうですか…でもやっぱり気になります。」
気になりますって……
ていうかさ、何まともに話聞いてんのワタシ。
この人変なんだってば(笑)
冷静に、冷静にと、自分を落ち着かせる。
真顔で答えるホクロメガネを見ていたら、ただワタシをからかってるだけなんだろうと思った。
17歳の多感な少女をからかう、悪趣味な人間なんだ。
見た目は地味で全体的に黒いけど(まぁ社会人だからそうなのだろうけど…)
真面目で穏やかそうにも見えるなんて思ってたのに。
なのに、なんだコレ。
「ハハ…」
何故か笑ってしまった。
ホクロメガネは、不思議そうにしている。
なんだかもう、一周しておもしろさすら感じてしまう。
でもそれだけじゃない。
何故か、確実に、ドキドキしている。