恋の授業。


必死なワタシを見ながらグフッと吹き出すと、堪えきれなかったとばかりに盛大に笑う森川君。



そんな森川君とは反対に、ワタシは泣きたくなった。

好きな人が何を考えているのか。
自分をどう思っているのか。



解らないことがこんなにも不安なのかと、この年になって初めて知ったんだ。





「ほらね…そういうところとか…」





いつの間にか落ち着いていた森川君は、優しくそう言った。



ごちゃごちゃの頭じゃ、どんなに言葉を付け足されたって、まるで宇宙語で話されているみたいに訳が分からない。



「………」



「わからない?」



森川君の問いが怖かった。
追い打ちをかけるように聞かれると、ごちゃごちゃの頭は爆発するように思考回路が吹っ飛んだ。


それでも、森川君の表情が…雰囲気も、ワタシをドキドキさせて、期待してしまう。



浮かれてしまう。



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