恋の授業。
なんとか、しなくちゃ………
言葉が見つからずにいると
森川君が先に口を開いてくれた。
「今みたいに、焦ったり、困ったり、考えたり。」
「………?」
「俺の言おうとしてること考えてくれたり。」
……こわい。
何を、言われるのか。
このうるさいくらいに鳴り響く心臓は、恐怖と期待と、どっちのせいなんだろう。
「そういうのさ、見せてくれるじゃん?」
………
そういうの……?
言われたことがまだ飲み込めていないワタシに呆れて、恥ずかしいのになんて言いながらも続けてくれる。
「川原さんの感情をさぁ、見せてくれるようになったなってこと!」
……?!
ワタシの感情…?!
「……出て、た…?」
……!
ウンウンと首を縦に振りながら悪戯な顔で笑う森川君を見ながら、みるみるうちに顔面に全身のの熱が集まってくる。
確かに、最近のワタシはそうだったかもしれない。
今までみたいに、上手くできなかった。
自分のペースが乱れていた。
でも、それも楽しそうだと思ったんだ。
「うん…確かにワタシ、変わったのかも…。」
…うん。
ワタシ、今楽しい。
「何で?何で、変わったの?」
そんな風に単刀直入に聞かれると、わからない。
でもべつに、変わりたいと思ってしたことじゃない。
何で…?
「何で、かな?」
……多分、
「多分…」
楽しそう…な……
気がしたから……?
「楽しそうな気がしたの。」