恋の授業。




ふぅーーー



小さく息を吐きながら、改札を出る。
金曜の夜は駅も浮かれた雰囲気だけど
ワタシは、そうじゃない。

土日は学校が休みだから森川君に会えない。


頭の中は悶々としながらも、本屋に入って目を動かす。

今月はヘアカタログと、ティーンズ向けの雑誌に少し載っている。

こうやって、髪の毛をかわいくしてもらったり、自分で選んだ洋服を写真に撮ってもらえるのは、ワタシっぽくないとは思うけど結構好きだったりする。



「あれ?川原さん?」



買う本があってるのか中身を確認していると、突然声をかけられて、思わずビクッとしてしまった。



「わぁあ驚かせてごめん!」



森川君だとわかった瞬間からバクバクする心臓を抑えながら振り返る。



「…ハハ。こっちこそ、いつも驚いてごめん。」



いい加減ドギマギするの止めないと嫌われちゃうと思いながら謝ると



「もう慣れたから平気ー!」



と、笑ってくれた。



なんて…!なんて!
なんて素敵なんだろう!



完全にワタシの目はハートだ。



< 150 / 324 >

この作品をシェア

pagetop