恋の授業。



結局、お腹が空いてるかどうか答えないままに、花火を見る公園の近くのお店に連れて行ってもらった。



なんとなく見たことのあるお店だと思っていたら、少し前にやっていたドラマで主人公が行きつけにしていたお店だ。



「森川君、ここ…ドラマでやってたよね?」



落ち着かないワタシはキョロキョロとしながら小声で聞いてみる。



「うん…ちょっと、調べてみた。」



へへっと照れ臭そうにそう言う森川君を前に、聞かなかった方が良かったのかも知れないと思う。



でも、森川君には申し訳ないけど、場違いと言うか…
決して高級そうなお店ではないけど、大人の雰囲気がただよっている。



落ち着かないのが原因か、森川君と居ることが原因か…お腹は空いているはずなのにあんまり喉を通らない…



あぁもぉ、絶対印象悪いよ…



こんな時間に食べさせちゃってごめんねと、逆に謝られてしまった…。



森川君のせいじゃないのに…、でも、胸がいっぱいで食べられませんでしたなんて、絶対に言えない!


なんとなく微妙な空気でお店を後にする。



もうこれ以上、失敗はしたくない…っ



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