恋の授業。
黙ってないで、冷静に何か言わなきゃ。
そう思って端的に
「人を待っているので。」
と、素っ気なく返した。
これで行ってくれる…!
そう思ったのも束の間で、おお~!!と2人で盛り上がっている。
「オレら気の強い子好きなんだよね~?」
無精ひげが片方の口角を上げて不気味に笑っている。
そして、さぁさぁと金髪がワタシの腕をつかんで、指が食い込むほどの力で引っ張ってきた。
……いたっ!
痛い…怖い……
気持ち悪いっ……
直接触られた肌が寒気と同時にぞわっとなる…。
「いっ、や、やめてくださいっ!」
力いっぱい振り払おうとしても、男の力には適わない。
周囲の人たちは皆、花火に気を取られて上ばかり見ているし、ワタシの声はかき消されていく。