恋の授業。



……っ!イヤだ!
森川君…来て!



心の中で叫びながら引きずられないようになんとか耐えていると、ワタシを呼ぶ大きな声がした。



姿が見えなくてもその声が森川君だとすぐにわかって、全身に入れていた力がふっと緩む…。



「俺の連れです。何か用ですか。」



そう言ってワタシを自分の後ろに引っ張る森川君の声は、緊張しているのがわかる。



「あらー?ぼくー。彼女1人にしといて何言ってんのー?」



金髪が森川君をからかい始めた。
森川君の登場で更に楽しそうに笑う男たち。



もう…もう、やだ。
止めて…



心で神頼みをしている間も、森川君は金髪に肩を押されている…



ワタシは意を決してヒュッと息を吸い込んだ。



「けっ!」



……!?


警察呼びますよ!と出かかったと同時に
森川君の言葉と被った。



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