恋の授業。



「キャアァァァア!!!」
「うひゃぁあ!」



「ちょっちょっとっ!シーーーッ!!」




明日から夏休みという今日は学校中が浮き足立って見えるけど、この2人の騒ぎっぷりには敵わないだろう…



学校に着くなり、マリと綾子に花火はどうだったのかと詰め寄られ、廊下の隅で一通りの報告をした。



…2人とも…すごい興奮してる……。



なんて思いながらも、マリはともかく、いつもは理性的な綾子が大はしゃぎで喜んでくれるのは素直に嬉しい。



「てかさ、森川手早くない?もうキスって!」



「あーね、でもまぁこのお方はそういうの慣れてらっしゃるし?」



静かに!と人差し指を口に当てているワタシの姿が見えていないかのように、2人は大きな声で言いたい放題だ。



チャイムのおかげでとりあえず終わりにできたけど、朝から本当に嫌な汗をかいた。

森川君との付き合いを秘密にしたいわけじゃないけど、わざわざ他人に言いふらすような事でもないと思うし、話題になるのは好きじゃない。


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