恋の授業。
しばらくの沈黙の後
「森川はさ、前からあーだったじゃん。」
と、綾子が言った。
ん?
どう言うこと?と言う代わりに伏せてた頭を上げる。
「裏表ないってゆーか、素直ってゆーか。そういうところ、良いと思ったんでしょ?」
あ……確かに…
確かに、そうだった…
森川君は、そうだった。
「そうだ…だからワタシ。」
嬉しかったんだ…。
綾子の言葉に、今日の自分を恥じた。
両想いになれたことを喜んでくれた森川君に対して、とてつもなく申し訳なくなった。
「まぁ慣れるよ。今回はくーも本気っぽいし!」
その場しのぎじゃないとわかる綾子の励ましは、ワタシの心を少しだけ軽くしてくれた。