恋の授業。
それでも、森川君の表情は暗かった。
どうしたらいいのかと考えていると、森川君がワタシの隣に座ってゆっくりと話し始めた。
「急に来て…ごめん。」
携帯を持ってなかったワタシが悪いのに…。
ワタシは首を横に振る。
「会いたかったんだ。」
ハッキリと言ってくれたことが嬉しかったけど、恥ずかし過ぎてうまく反応できないでいると、突然、視界がガクッと揺れた。
うわっ!
何度か瞬きをしてピントを合わせると、目の前は森川君の肩だった。
えっ?!…
わっ、わわわわ!
森川君に抱きしめられてるとわかると、背中に回された腕から電流のようなものが流れ込んで来る…。
その腕は、フワッと包み込むようなものじゃない。
ギューっと、苦しいと訴えているような強さだった。