恋の授業。
「川原さんて、駅どこ?」
「あ、ワタシは東横浜。森川君は??」
「……っ…やっべぇ…!」
…ん?何か言ったみたい…だけどー…
よく聞こえなかったから顔をのぞき込んでみると、森川君は口を手で覆っている。
「えっ?!どうしたの?具合悪いの?電車酔い?」
吐かれたら困る。
「いやいや、大丈夫何でもない!ごめんね!」
ホントに平気なの…?
「遅れちゃうよ、歩こう!」
止まったのは森川君なのに、急かされてしまった。
「俺さぁ、春休みに引っ越して、東横浜になったんだよね!川原さんと一緒だったんだね!元々は………」
森川君は、学校に着くまでずっと喋っていた。
そのおかげで、初めて話したけど気まずくなかったし、ワタシも話題を提供する必要がなくてとてもラクだった。