恋の授業。
 

学校に近付くにつれて、同じ学校の生徒の視線を感じるようになった。

急に恥ずかしくなったワタシは、自分にもまだそういう感情があるんだと自覚した。


多分付き合ってると思われてるんだろうなーと思いながらも、目的地が同じなのにここで別れるのも不自然だし、森川君は何も気付いてないみたいだし…
とりあえずそのまま教室まで入っていくと、ザワザワしていた教室が一瞬、
シーン…と静まりかえった。



……あ、ヤバい、注目の的。



クラスの男子がすぐに森川君を囲んでからかい始めると、森川君は相変わらず元気に笑いながらちげーよ!と連呼している。

ワタシにも女子からの視線が集まる。



「ちょっと!くーっ!なにこれ????」



ワタシをくーと呼んで走ってきた綾子は
中学からの付き合いで、友達歴が一番長い。
空(そら)という名前のワタシを、くーと呼び始めたのも綾子だ。



「聞いてないし!どういうことよ!?」



続いてやってきたのはマリ。
マリとは高校に入ってすぐに仲良くなったけど、今回のクラス替えで初めて離れてしまった。


2人は、ワタシが唯一信頼している友達だ。


女子の、女々しさとか、陰で悪口や文句を言うところとか…
とにかく女の面倒な部分を全くと言っていいほど持っていない2人は、ワタシの冷めた内面や適当にこなしている人付き合いを、多分気にしてない。
むしろ、理解してくれてる部分もあると思う。


この2人だから
ワタシはワタシを隠そうとしないし
見せようともしない。


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