恋の授業。



ふと目が覚めると明るかった部屋がうす暗い。



あ…そっか…
あの後、寝ちゃって…

って、もう6時?!



時間を確認して、よく寝たなぁと思いながら身体を動かそうとすると…動かない。


隣で寝ている森川君の腕が、ワタシの首の下と胸の上を通って挟んでいる。



もう、起こしてもいいか…と、ぐいっと森川君の方に身体ごと向くと、綺麗な二重の瞼がゆっくりと開いた。



ワタシを認識するまでの数秒間が異様にかわいくて、母性をくすぐられる。



「おはょ!」



声をかけた途端、眉間にシワを寄せた森川君が痛いくらいにワタシを抱き寄せた。



「…どうしたの?大丈夫?」



驚いた。
森川君の表情に、心臓がバクバクする。
森川君の機嫌に、敏感になっているみたいだ。



「俺…くーちゃんを誰にも取られたくない。」



おっとー?
寝起きから愛の言葉!



なんて、恥ずかしさのあまり心の中で茶化していると



「誰にも見せたくないし、近寄らせたくない…」



続いた言葉に、戸惑った。


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