恋の授業。



えっと…これは、『ありがとう?』
それとも『私もだよ?』

いやでも…



森川君の極端な言葉にどう反応したらいいのか考えていると、



「やだ?」



そう聞かれた。



こんな風に思われること、言われることが嫌か?と聞かれたんだろうと思って、自分の気持ちを考えてみる。



べつに…



「嫌じゃない」



抱きしめられたまま答えた。



独占欲っていうのは誰にでもあるんだろうし、ワタシだって…ん?
…ワタシにはないけど……



森川君の心臓の音を聞きながら、頭をフル回転させる。



「じゃあさ…もうあの人と会わないで」



え?…あの人…?



「だ、誰?」



薄々、感づいてはいた。
森川君に見られたのは、1人だけだ。



「あの、近所に住んでる人。」



やっぱり…ホクロメガネだ………



気にしてたんだ…



正直、もう会うなって言われたのはショックだ…

でも、森川君が辛いならやめるしかないんだ…



「うん、わかった。心配させてごめんね」




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