恋の授業。



校門からは、その方がかえって怪しいだろという程に挙動不審な森川君に付いて、妹ちゃんのよく見えるところまで行く。



あーあーあ〜
これじゃばれるのも時間の問題だな〜



周囲の保護者には混ざりきれない容姿なのに、いかにも、な一眼レフを首からかけて妹ちゃんを狙う森川君を見ながら、呆れつつも笑っていた。



そんな時、ちょうどお昼休憩に入ると放送が流れて、ザワザワと動き出す小学生たち。



「おっ!あれ、るりちゃんかな?!」



お友達と楽しそうにおしゃべりする姿も、逃さないぞ!とシャッターを押しまくる。



「ねぇ、それじゃあ…」



ばれちゃうよ…

と言おうとした瞬間……


森川君の華麗に動いていた指が止まった…



うわぁ〜……



明らかにこちらに気づいている妹ちゃんと、レンズ越しに目がバッチリ合っているに違いない。



「あははははー……どうするのォ?」



ちょっと面白いと思ってしまったけど、妹ちゃんからしてみれば、たまったもんじゃないだろう。


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