恋の授業。
ホクロメガネの提案


きっと涙と鼻水で情けない顔だし、目だって鼻だって、真っ赤になってるに違いない。

手で覆っていたとはいえ、ホクロメガネの前で泣いてしまった…



だけど…もう…



なんとなく、もうホクロメガネには何を見られても平気な気がした。



こんな滑稽な姿を見られたら、今更どうでもいいと割り切れたんだろうと自分の気持ちを推測する。



「どうぞ。」



用意してあったのか、ハンカチをワタシの手ににぎらせる。



…紳士っぽいのは言葉遣いだけじゃないのか。



渡されたハンカチは、地味なホクロメガネにしては意外なグリーンのチェックだった。

シワが一つもないところがホクロメガネらしい。



グフッ…!ホクロメガネらしいって!
何も知らないのに!



ハンカチを見ながら吹き出しそうになるのをこらえて、自分にツッコむ。


ほんの少し前までは泣いていたのに、
今はこうして笑いをこらえている。



そう言えば、ワタシってこんなんだったっけ?



そんな自分がおかしくなって、結局、笑ってしまった。

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