恋の授業。



「え、何それキモイ!さっきっからキモイ!」



両耳を塞ぎながら発したワタシの言葉に傷つく様子もなくクスクスと笑い始める。



「え、笑うところじゃないですから。
よくそんなキザな台詞言えますね?」



ホクロメガネが腹を抱えて笑っているせいで、まるでワタシが自意識過剰かのようになっている…



「クックック…そうですね、キザですよね、ブッハハハ!」



ホクロメガネの印象からは想像もできないくらいの笑いに、ワタシの心臓がビックリしている。


落ち着こうと深呼吸をしたホクロメガネは、続けてこう話す。



「僕は、君のことを何も知らないし、君に対して何の感情もない。だから、君にどんなことを言われようと、たとえば…『ホクロメガネ』なんて呼ばれても、全く気にならない。君も、僕のことを何も知らないし、負の感情は有りそうだけれど、だから言いたいことが言える。」



うんうん、よくわかってるじゃん(笑)
負の感情、という言葉に面白味を感じて心の中で笑う。



「だから、君と僕が話すときは、お互い思ったことを言う。どうですか?」




…しばらく考える素振りはするけれど、おもしろさに気持ちは惹かれている。



「……」



「おもしろそうだから、いいけど。」



仕方がないからノってやる、というスタンスで返事をしたのに、肩を揺らして笑い始めるホクロメガネに心の中で叫んだ。



また人の心を見透かした!


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