恋の授業。
…そう言えばホクロメガネ、『僕と話すときはー』なんて言ってたけど…
今後話す機会あるのかな?
湯船の中で、爪の甘皮を押しながらさっきのやり取りを思い出す…。
今更ながら、本当に恥ずかしいところみられちゃったな…
チャポン……
急にむず痒い気持ちになって、お湯に顔をうずめる。
でも実際、電車で会ったことはあるけどほとんど会わないしー…
まあ、会わないなら会わないでいいけど…
とは思いながらも、ホクロメガネの提案に何故かワクワクした自分の感覚が、少し残念がっていた。
例えるなら、新しいゲームを買った時のよう。
…取りあえず明日も、いつもの電車に乗っていこう。
何だかんだ考え事をしながら入ったせいか、お風呂から出た頃には両親は寝たようで、リビングには誰も居なかった。
それでも、ワタシが落ち着く場所はここじゃない。
気泡が入ったオレンジのかわいいグラスに、沢山の氷と炭酸水を入れて部屋に向かう。