恋の授業。
なんだかんだ女子
昼休みになると、マリが光の速さで飛んで来た。
今回のクラス替えで、文系のマリはクラスが離れてしまった。
昨日の夜のメールを返していなかった状態で、朝ワタシと森川君が一緒に登校したものだから、驚くのも無理はないと思うけど、マリの気迫には後ずさりしてしまいそうになる…
「ちょっとっ!くー!!」
興味津々という目なのか、怒っている目なのか、判断がつかなくてつい、しどろもどろになる…
「んーー、な、なにぃ?アハハ…」
「アハハじゃないでしょアハハじゃあ!」
「エヘヘ…」
「くー!からかってるの?!」
ジラし効果か、マリのイラつきが増したところで、タイミングよく綾子が登場してくれた。
「まーまーまーまー!落ち着いてマリ。」
「綾子ぉ!」
綾子にすがるような目を向けるワタシにも、垂れた耳がついているかもしれない。
「お昼休みなんだからさ、ゆーっくり話出来るじゃん?焦らない焦らない!」
悪い顔でそう言ってマリを見る綾子に、ワタシは目を見開いてリアクションをとる。
誰も嫌な気持ちにさせないで場を収める綾子は本当に姉御肌だと思う。
「それもそうね。さて、お弁当食べながら事情聴取といきますかっ!」
それでも結局、マリの容赦はなさそうだ。