恋の授業。



はぁ……
バッカみたいっ…



ドアに寄りかかって外の景色を眺めながら、今の自分を本気でバカだと思う。


今朝はいつもより2本早い電車に乗った。


今までどんなことがあっても毎日同じ電車に乗ってたし、それができるくらいのコントロールは簡単だった。


例えば付き合っていた人と別れた次の日、最近で言えばホクロメガネに会いたくなかったときも、ちゃんといつもの電車に乗れたのに、今朝はどーっしても、乗れなかった。

どうしても、森川君と顔を会わせたくなかった。



はー…
どうせ教室で会うのに…バカみたい。



再度今の無意味な行動をバカだと思いながら、この立ち位置が、数日前の森川君を思い出させる。



はぁ。

…考えてみれば、森川君と初めて話した日から毎日ハードだったような…。



思い返してみると、森川君と話し始めてから、メールが来て、一緒に学校に行って…ほんの数日の間でスゴい進展だった。
おまけにホクロメガネと知り合った時期も被って、なんだかワタシのペースを乱す2人に振り回されていたんだろう。



なんて、人のせいにしてみたり…(笑)

はぁぁ…



心の中で失笑しながら、ワタシが今落ち込んでいる原因を疲れのせいにしようとしてみる。



でも、もう、なんとなく、わかっていた。
昨日、眠れなかったのも、ずっと悲しかったのも。



ワタシは…



ワタシは。



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