恋の授業。



「えーそれってさぁー。」



マリは納得できていない声で綾子に同意を求めるように言った。



ワタシと違って人付き合いが上手い2人なら、こんな事にはならないんだろうなと思いながら、綾子の言葉を待つ…


綾子は、ワタシの混乱した気持ちを助長したくないと前置きして



「客観的に見て、くーは今の状況を無理して受け入れようとしてる。」



と、ハッキリ言った。



綾子が人のことでハッキリと言うことは滅多にないし、ワタシが認めていないことを言い切られたのも初めてで

すごく、驚いた……



……でも、それでもやっぱりワタシは…



「だってさ…、断ったつもりじゃないよって、言ったとして…」



なんだかワタシの中の黒い部分を見せるような気分で、声が震えてしまっていた。



「だったら何?って、感じでしょ…?」



2人が眉間にシワを寄せて首を傾げている姿に、言葉の選び方が間違ったのかともう1度言い直してみる。



「付き合う気がないなら、期待させるなよって、思わない…?」



< 94 / 324 >

この作品をシェア

pagetop