恋の授業。



「もう、ずいぶん前からの話になるんだけどね…」



2人が知ってる部分もあったけど、もう1度最初から森川君とのことを話し始めた。


話すようになったきっかけ。
マリがアドレスを教えて森川君とメールをしたこと。
電車の中で、グロスを付けまいとしてとった行動で森川君を傷つけてしまったこと。

誤解を解くためにメールをしたら
その返信で『好きだよ』と言ってもらえたこと。

それから…

そのメールを見る前に森川君と話して、告白に対して断ったことになってしまったこと…。



「それで、ね、実は、森川君とはそれっきり、なんだ…っ…。」



一番言いにくかったことも、詰まりながらではあったけど伝えられた。

ヘタレ過ぎと怒られるのが怖くて、目をギュッと瞑っていると、いつまでたっても反応しない2人。
恐る恐る目を開けてみると、明らかに考え込んでいる姿が目に入った。



え…
2人とも……



「ご、ごめんねっ?ほら、もうさ、今更どうしようもないのはわかってるんだ!だからさ、大丈夫!大丈夫!」


話したのはワタシなのに
2人の悩める表情に耐えられず、つい空元気に終わらせようとしてしまった。



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