恋の授業。
「ワタシ、森川君を変な風に期待させたらいけないって思ってたけど…、確かにそれってただの自惚れだった。もう、あれから随分経ってるし…」
あの出来事の直後ならともかく、これだけ日が経ってるのにいつまでそんなこと言ってるんだと、今更自分の恥ずかしさに気付いた。
「そうそう、もうかなり時間が経ってるわけよ。」
「うん…」
ワタシは自分の自惚れに対する恥ずかしさと、なんとも言えない喪失感てぐちゃぐちゃだった。
しばらくの沈黙の後
マリの大きな声でビクッとなった。
「ねぇ?!わかるっ?!わかんないの??」
え、え、え?
「え?、あ、な何が…?」
いつもなら冷静なワタシが、マリに追い詰められてはオドオドしているなんて、初めてのことだと思う。
縋るような目で綾子を見てみると、なんと綾子は顔を真っ赤にして笑いを堪えている。
「えちょ、綾子?どうして…?」
「ブッハハハ!!」
ワタシの声に被せるように、もう限界と言いながら綾子が盛大に笑った。