満たされる夜
「お水、ください」
「自分で取りに行け」
明日は休みだし、朝になるまでここで寝かせてやるか…。
そんなことを考えていたとき、田崎がフラフラと近づいてきた。
俺の手から飲みかけのペットボトルを取ると、そのまま口をつける。
ミネラルウォーターがどんどん、流れ込んでいく。
「おい、何やってるんだ」
思わず田崎の手首を掴んだ。
細い手首…本気で握ったら折れそうだ。
少し厚い、濡れた唇。
さっきまで眠っていたからか、目がわずかに潤んでいる。
「課長、眉間にシワ!良くないですよー。いっつも恐い顔して。仏頂面!」
田崎は急に笑い出す。
こんなふうに笑っている顔を見たことがあっただろうか。いや、ない。
社員の普段の顔を気にしたことがないからかも知れないが。
右頬にえくぼが一つ。
自分でも気がつかないうちに、手首を握る手に力を入れていた。
「自分で取りに行け」
明日は休みだし、朝になるまでここで寝かせてやるか…。
そんなことを考えていたとき、田崎がフラフラと近づいてきた。
俺の手から飲みかけのペットボトルを取ると、そのまま口をつける。
ミネラルウォーターがどんどん、流れ込んでいく。
「おい、何やってるんだ」
思わず田崎の手首を掴んだ。
細い手首…本気で握ったら折れそうだ。
少し厚い、濡れた唇。
さっきまで眠っていたからか、目がわずかに潤んでいる。
「課長、眉間にシワ!良くないですよー。いっつも恐い顔して。仏頂面!」
田崎は急に笑い出す。
こんなふうに笑っている顔を見たことがあっただろうか。いや、ない。
社員の普段の顔を気にしたことがないからかも知れないが。
右頬にえくぼが一つ。
自分でも気がつかないうちに、手首を握る手に力を入れていた。