ギャップ彼女 1

疑心


みんなで座りながら、楽しくおしゃべりしていた。そんな時、



「リン…」



懐かしい声が耳に届いた。
振り返れば、そこにいたのは、



『あ……か…なで……?』




幼馴染の奏だった。



「久しぶりだね。元気……みたいだね?」




切なげに瞳を細める奏。




……何でそんな顔するの?





分からない。
あの時以来、一切話さないまま卒業していた私達。





『あ…うん…元気…だよ』

「良かった。」





避けられ、目も合わせてくれないので、嫌われてしまったと思ってた。




「リン」

『ん?』

「あのさ…俺……あっ…いや…そうだ!これ」




いきなりポケットから紙キレを出し差し出してきた奏。




ゴミ…?
中を開くと、これは…




「俺の連絡先。連絡待ってる」



そこには、アドレスと携帯番号で…
どうして急に?




「頼む…。」

『分かった』



奏の悲痛な表情に、胸がズキンと鋭い痛みが走った。その直後、



「か~な~で~」



奏を呼ぶ女の子の声が耳に届いた。



…この声



声の方をする方に視線を向ければ、遠くから走って近づいてくる女の子で…



その姿を見た瞬間、私は言葉を失った。
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