ギャップ彼女 1
『俺、どうしたら良いのかわからなくて…。女の嫉妬って怖いっていうし、俺がリンに話しかけたら状況がもっと悪くなるんじゃないかって思ってた…でも、そんなの違うよな…こんな俺頼りないよな。』
俺は強くなりたい。リンを守れるくらい。
「そんな事ない。大丈夫。私は全然気にしてないよ!!」
『うそ』
強がり。一人でかかえないで。
「本当に大丈夫。こういう事には、慣れているし。別に大切に思ってない人に何かやられたって何とも思わないよ!!」
『リンが大丈夫でも、俺は大丈夫じゃない!』
なんで、リンはこんな悲しい事を言うんだろうか…?それに慣れてるって…
もしかして、リンには俺の知らない心の傷があるのかもしれない。
もう黙って見てるだけなんてイヤだ。
今度こそ、俺はリンを守るんだ。そんな悲しい事は、リンに2度と言わせない。
そう。
絶対に…
「…。」
『俺はリンの事大切に思ってる。だからそんな悲しいこというな!!』
「……。」
「……。」
しばし沈黙の後、リンは微笑んだ
「…伊吹…ありがとう」
微笑んだリンの目から、一筋の涙がこぼれている事に気づいた。
~ 伊吹 Side END ~