トレモロホリディ
「美菜ちゃんのお陰だよ」


「そ、そんなこと…」


「ううん。そうだよ。

美菜ちゃんがいなきゃ、今の俺はいないと思う。

ありがとね」


湊君はにっこり笑うと、私の手をそっと握った。


「個展が終わったら、約束通り俺の実家に行こうね」


「うん」


「そのあとは、美菜ちゃんの実家に…」


「うん…」


「俺の両親、美菜ちゃんに会えるの楽しみにしてるって。

お刺身沢山用意して待ってるって言ってたよ」


「ほんとに?

きっと、すっごい新鮮なんだろうね。

楽しみだなあ。

ウチの実家の方は、今菜の花が満開だっておばあちゃんが言ってたよ」


「そうなの?

それはぜひ、スケッチブックを持って行って描かなくちゃ」


「うん。描いて描いて」


本当に綺麗だよ。


もう辺り一面、鮮やかな黄色の絨毯なんだから。




湊君の個展が成功して、


お互いの両親への紹介が済んだら、


私達はいよいよ


結婚への準備を進めることになっている。
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