トレモロホリディ
名前を呼ばれたことにビックリして、恐る恐る目を開けると。


「ミ、ミナト君!」


「大丈夫?」


そう言ったかと思うと、ミナト君は私の肩をガシッと抱き寄せてその男を睨み付けた。


「あんたさぁ、なにしつこく追いかけ回してんの?」


ミナト君の問いに何も答えられない男。


「あんまりしつこいと警察呼ぶよ」


警察と聞いて、その男の人の顔が一瞬にして強張る。


ミナト君は、じっとその人を見つめたまま目をそらさない。


そんなミナト君に怯んだのか、男は意外とあっさり暗闇へと消えて行った。


それを見ていたら、ホッとして力が抜けてしまった。


あぁぁ~、良かった。


本当にどうなるかと思ったよ。



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