トレモロホリディ
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7月の中旬。


俺とミナトは仕事帰りにほなみに寄っていた。


連日お酒を飲んで疲れた身体に、ほなみの定食はとても優しいんだ。


俺とミナトはカウンター席に、一つ椅子を空けて横並びに座っている。


今俺とミナト以外に客は誰もいないので、俺は穂波さんと、ミナトはミナちゃんと話している。


「ねぇねぇ、壮真君」


目の前に立っている穂波さんが、急に小声で俺に顔を近づけて来た。


「どうしたんです?」


「いや、あのね。

あの二人ってさ、なんかやけに仲がいいと思わない?」


「ミナトとミナちゃんですか?」


「うん…」


チラリ、二人のことを横目で見てみる。


確かに、二人ともいい笑顔だ。


ミナトのこういう無邪気な顔って、ウチのお店じゃ絶対に見られない。


「実を言うとね、あの二人。

いつも一緒に通勤してるみたいなの」


「え、マジで?」


一緒に通勤?


俺はそんな話、一度も聞いてねーぞ。

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