トレモロホリディ
梅雨が明け、この頃東京はすっかり暑くなっていた。


私はほなみの仕事に慣れて来ていた。


相変わらず私とミナト君は、一緒に通勤する毎日で。


一緒に歩く時間は、せいぜい10分か15分そこらだけど。


私にとっては、楽しみな時間だった。


ミナト君は優しいし話しやすいし、人間的に好きだなと思い始めていた。


「はぁ~。お客さん、今は一人だよね。

ちょっとだけ奥の部屋で休んでてもいい?」


穂波さんが首を回して、ボキボキと鳴らす。


「はい、もちろん」


「じゃ、少しの間お願いねー」


穂波さんは時々こうして上手に休憩を取りながら、夜の仕事を乗り切っているのだ。

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