トレモロホリディ
今、フロアには女性客が一人。


私はテーブルを片付けたり、ダスターで拭いたりしていた。


その時だった。


「すみません」


女性客に声をかけられた。


私は「はい」と返事をし、すぐさまその人のところへかけつけた。


だけど、その人は何も言葉を発しようとしない。


どうしたんだろうと首を傾げていると、女性がはぁと息を吐いた。


「あの、さ。

ちょっと教えてもらいたいんだけど」


「はい、何でしょう」


「あなたって、ミナトとどういう関係?」


突然の質問に目を見開いた。


え、ミナト君?


ど、どういう関係って言われても…。

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