(続) 冷めた結婚

どうせ別れてしまうなら、そう思い私は今日のことを話し始めた。



「今日ね、圭吾に会ったの」




そう切り出すと、輝は怪訝な顔つきになる。




更に私は続けた。



「でね、言われたの『よく結婚できたな』って。それから『旦那もその程度だな』って。輝とのことも言われてすごく、すごく悔しかったの。全てを否定されてる気がして。、」



輝は目を見開き驚いて、何も言わずにただ驚いていた。



「だから、輝に早く会いたくなったんだけど…。輝帰ってこなかったから…。でもね、それは仕方ないの。私が勝手に思っていたことだから。それに輝は連絡くれたし、なんも悪くないよ?愛莉さんのことだってちゃんとわかってるつもりなんだけど…。今日は…、今日だけはね…ごめんね。気持ちをコントロールできなかった」



普通の女の子だったら。



私が一般的な奥さんになれていたら。



輝をもっと幸せにできたのかもしれない。




「ごめんなさい…嫉妬しちゃった。愛莉さんに…。今、輝は愛莉さんといるんだって思ったら止まらなくなって。あんなこと言ってごめんね。輝の言ってることが正しいよ。私が間違ってる」



愛莉さんみたいな人と、輝は一緒にいた方が絶対に幸せだ。



そう思った。

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