春風



帰ると成美が家の前に立っていた。


【成美?】


【おかえり。試合お疲れ様。…惜しかったね…。】


【どうして?】


【わかんない。いてもたってもいられなくて来ちゃった。ハルのそばにいてあげなきゃと思って。】


【そっか…ありがとな。…あがれよ?】


【うん】





部屋でのしばらくの沈黙が続く。


【来年は、来年は絶対勝つからさ、応援しててくれないかな?】


成美は顔をあげて、笑顔で


【うんっ!!】


って言ってくれた。


たったそれだけのことなのに、おれも笑顔になれるんだ。



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