輪廻する今日、六月一日。
「何、って……殺人?」

「はっ?!」

「僕は今からお前らを殺すの。分かる?」

「お前……自分で何を言っているのか、分かっているのか?!」


 肩を押さえながら叫ぶ佐藤。

 まったく。うるさいなぁ。そんなに大きな声を出さなくても、ちゃんと聴こえているし、分かってるよ。


「うん。今までよくも僕をイジメてくれたよね。ありがとう。おかげでお前らに“また”復讐が出来るよ」

「はっ……それで、怒っているのか?それなら、謝る!だからこんなことはもう……」


 やめろ、って?

 ……はあぁぁぁあっ?何言っちゃっているんですかあぁぁぁあっ?ちょっと何を言っているのか理解出来ないなぁ?


「僕がいくらやめろって言ったって、やめてくれなかったよね?」

「! わっ、悪かった!」

「う~ん、しょうがないなぁ」

「許してくれるのか?!」


 にっこりと微笑みながら佐藤に近寄る。グッと顔を近付けながら、僕は言った。


「絶対、許さない」


 徐々に希望に染まっていく顔が、一気に絶望へと染まっていった。
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