輪廻する今日、六月一日。
「あっははは!!!」


 その様子がおかしくて、思わず笑い出したのをそのままに、僕はナイフで佐藤の喉を横に掻き切った。

 ひゅー、ひゅー、と、掻き切った佐藤の喉から空気が漏れる。息が出来なくて苦しいのか、佐藤は自分の喉を掻きむしり……やがて、白目を向いて倒れた。

 ビクンビクンと跳ね上がる佐藤から残りの2人に目を向けると、田中は目を見開いたまま固まっており、鈴木は両手で口を塞いでうずくまっていた。

 僕が一歩、彼らに近付くと、2人は大袈裟なほどに肩を跳ね上がらせ、弾くように僕の方を見た。


「しっ……死んっ……佐藤が、死ん……だ……!ひっ……人殺し……!」


 情けないくらいの声の震えように、僕は思わず吹き出した。なにその震え方。情けなさすぎて、笑える。


「だったら、なに?お前らも死ぬんだよ?この僕によって殺されてね……っ!」

「ひぃっ!」


 2人は僕に背を向け、逃げ出した。

 あ~ぁ。このままじゃ先生に報告されて、僕は取り押さえられ、警察に引き渡されて終わりかな。

 それだけはあまりにもつまらなくて、面倒臭いから、避けるようにしないといけないね。気をつけなくちゃ。
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