輪廻する今日、六月一日。
僕は剃刀をポケットにしまい込み、切った左手首はそのままに、学校に向かって歩いていった。
途中、僕の左手首を見て驚いたり悲鳴をあげたりしている人がいた。このパターンは初めてだから新鮮で、とてもワクワクする。
だけど、それでも、「大丈夫ですか?」と声をかけてこないのは――。
「この世界が腐っているか……僕が“いらないゴミ”だからのどちらかだな」
イジメのメンバーである3人に目をつけられたくないから、声をかけてこない。僕は3人にボコられてもどうってことのない存在。つまり、僕はゴミ同然っていうことだろ?
3人から助けてもらえるほどの価値は無いっていうことだ。笑える。
門をくぐり、校舎の中に入って廊下を歩いていると、前方を歩くとある女子生徒――同じクラスの日陰乃 日向(ひかげの ひなた)――が僕の左手首の傷に気が付いた。
僕らはあまり接点がないため、どうせ周りの奴らと同じように遠巻きに眺めているだけだろうな……と、何食わぬ顔で近付き、日陰乃さんの横を通り過ぎようとしたのだけれど――。
「春夏秋冬くん!大丈夫?その左手首の怪我……!今から保健室に行って、手当てをしてもらおう?」
――なんということだ。面倒なことに、彼女――日陰乃さんは、心配そうな表情を浮かべながら僕に話し掛けて来やがった。
途中、僕の左手首を見て驚いたり悲鳴をあげたりしている人がいた。このパターンは初めてだから新鮮で、とてもワクワクする。
だけど、それでも、「大丈夫ですか?」と声をかけてこないのは――。
「この世界が腐っているか……僕が“いらないゴミ”だからのどちらかだな」
イジメのメンバーである3人に目をつけられたくないから、声をかけてこない。僕は3人にボコられてもどうってことのない存在。つまり、僕はゴミ同然っていうことだろ?
3人から助けてもらえるほどの価値は無いっていうことだ。笑える。
門をくぐり、校舎の中に入って廊下を歩いていると、前方を歩くとある女子生徒――同じクラスの日陰乃 日向(ひかげの ひなた)――が僕の左手首の傷に気が付いた。
僕らはあまり接点がないため、どうせ周りの奴らと同じように遠巻きに眺めているだけだろうな……と、何食わぬ顔で近付き、日陰乃さんの横を通り過ぎようとしたのだけれど――。
「春夏秋冬くん!大丈夫?その左手首の怪我……!今から保健室に行って、手当てをしてもらおう?」
――なんということだ。面倒なことに、彼女――日陰乃さんは、心配そうな表情を浮かべながら僕に話し掛けて来やがった。