猫とあたしの物語
#06 ファイナル
ヒョコッと窓ガラスから
顔を出したのは、
これまた猫耳が生えた
執事っぽいおじいさん。
待って、ここ何階だっけ!?
確か…1.2階じゃない気が
するんですけど。
「リアム王子様っ!!!
探しましたぞっ!!!
こんな所にいらしたんですか!?
そろそろ人間の者がいらっしゃいます。
王国へ戻りましょう。」
「はぁ…もうそんな時間か。
わかった。すぐ行くから待ってろ。」
「はっ。承知しました。」
そう言うと、あたしの存在に気付き
ハッと驚いた顔をした。
「おおっ!これはこれは…
リアム王子様の命の恩人、
真白様ではありませんか!
あの時は、お怪我をなさってまで
王子様を助けて頂き、
誠にありがとうございました。
本当に感謝しております。」
そう言って深々とあたしに頭を下げた。