どうしようもないくらい好きでした(仮)
自分の準備が済んでしまうと、いよいよやる事は何もなくなってしまった。
陸はもう起きているのだろうか。
テレビを付ける。
これはもう、この部屋にいる間の条件反射のようなものだった。
それからお香を焚いた。
しばらくそのままで、その香りが部屋の隅々まで広がっていくのを待つ。
ゆっくりと立ち上がる薄い煙りは、やがて部屋の空気に溶けて同化していくのがわかる。
私の身体にも、その香りが染み込んでいくように。