どうしようもないくらい好きでした(仮)
以外にも、それから10分もしないうちに電話が鳴った。
もちろん陸からの電話。
既に新幹線に乗って、此方に向かっていると言う。
時間にして、あと一時間ちょっとすれば駅に着くはずだ。
──『早く会いたくて、予定よりも早い 新幹線に変更しちゃった。
急いで帰るから、待ってて』
──『うん。待ってる』
陸とそう約束した。
けれど結局私は、家でじっと待っている事なんてできなかった。
いても立ってもいられない。
コートを羽織ると、携帯をポケットに入れブーツを履く。
外に出なくても、今日も厳しい寒さなことは想像がついた。
覚悟を決めて玄関を開けると、暖房のきいた室内との温度差で、有り得ない程の冷たさが全身を走る。
吐く息が白い。
それでも心は躍っていた。